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書き綴り

嗚呼憧れのスーパー未来メカ ラテカセ! SONY JACKAL300


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その昔、多機能を謳った合体家電は当たり前中の当たり前だった。
中でもラジカセはオーディオヴィジュアル系の家電に於いては広く市民権を得たもののひとつだろう。
ラジカセ、即ち、ラジオとカセットの合体家電であり、我々の子供の頃は各家庭で大活躍した事は、同輩なら誰しもが知っているはずだ。
そして、そのラジカセに圧倒的な機能を加えたマシンが燦然と我々庶民の前にお目見えする。
その名もラテカセ、即ち、従来のラジカセにテレビがプラスされた超豪華な合体家電なのである。
小学生だった私の目には光り輝いて映った、まさに未来メカだったのだ!!


私がはじめてラテカセを知ったのは、忘れもしない、昼に放送されていたクイズ番組「ベルトクイズQ&Q」だ。
昼の帯番組であったベルトクイズQ&Qは、普段は主婦向けのクイズ番組なのだが、夏休み等の子供の長期休暇には「子供大会」なるものを放送していた。
そのベルトクイズQ&Qの子供大会の優勝商品がラテカセだったのだ。
その画期的なフォルムに私の目は釘付けになった。
何しろ当時はテレビは一家に一台の時代。
毎日家族間での壮絶なチャンネル権争いが勃発するのは日常茶飯事なのである。
当然、家族が多ければ多いほど、その戦いは熾烈を極めるのだが、幸い私は一人っ子。
33パーセントは主張する権利を有しているのだが、所詮は子供。
大人二人と比べれば圧倒的に不利な立場であるのは否めない。
てな訳で、日頃から「あ〜あ、オレ専用のテレビが欲しいなぁ」等とクソ生意気な事を思っていたのだが、そんなクソガキの琴線をブルブルと振るわせたのがラテカセなのである。

私の部屋はプレハブの離れだったので、比較的プライバシーは確保されていたのだが、ここにテレビがあれば完璧だと常日頃から思っていた。
だが、当時、テレビは高級品。
故に、おいそれと「もう一台追加」なんて事は出来ない。
つまり、なかなかねだれるものじゃなかったんだよね。
いや、ホント、超高級品だったのよ。
最近の若い子は想像が付かないだろうなぁ。
今、テレビ安いもんなぁ。

で、ラテカセの話に戻るのだけど、このラテカセ、つまりソニーのJACKAL300は定価が61,800円。
据え置き型のテレビに比べれば多少は安価だが、こちらも決して安いものじゃない。
因みに近所の家電屋で最安値だった店での売値は5万円強といったところか。
試しに小遣いを貯めて買う事も試算してみたのだが、これが又、あまりにも現実的ではない。
当時鍵っ子だった私は1日100円の小遣いを貰っていたのだが、これをすべてラテカセ購入の為の貯金に回した場合、一日100円を500日貯めれば5万円に到達する。
つまり約1年半だ。
1年半、駄菓子屋にも一切行かず、プラモも買わず、ひたすら耐えに耐えるなんて事、遊び盛りのクソガキには到底出来るはずもなく、あっけなくも現実を突きつけられる事になるに至る。
まぁ、当たり前だわな。

さて、なんでそんなにも自分の部屋にテレビを置きたかったのかと言う話になるのだが、当然、先述した通り、チャンネル権争いに於いての圧倒的弱者である立場からの脱却と言うのが大前提にあるのだが、それ以外にも大きな理由があったりする。
それは何か?


ウイークエンダーの再現フィルムを観たかったのだ!


ウイークエンダーって言う、まぁ、簡単に言うと夜にやってるワイドショー的な番組があったのだけど、その中で事件を再現する「再現フィルム」なるコーナーがあって、これが必ずお色気要素満載で、それを自分の部屋でじっくり観たかった訳さ。
要するに性に目覚め始めた少年の欲求に起因するものなのだ。

しかし、何故大人の見る番組であるウイークエンダーの再現フィルムを当時の私が知っていたかと言うと、こんな経緯がある。
私の部屋、つまり離れからトイレに行くには母屋の居間を通らなければならない。
その日の夜もトイレに行くために居間を通るのだが、親たちはテレビを見ながら寛いでいる。
観ている番組はウイークエンダー。
用を足してトイレから自分の部屋に帰ろうとドアを開けようとした時、女性の喘ぎ声がテレビから流れてきたのだ。
「何事だ?」
そう思ってドアを半開きにして居間を見ると、丁度再現フィルムのお色気シーンが放送されているタイミングだったんだよね。
家庭でのお色気シーンが流れると言う猛烈に気まずい状況の中で再び居間を通って自室に戻るのも気が引けたので、そのまま息を殺し、物音を立てない様にしつつ、遠目でテレビ画面を見ながら際どいシーンが終わるのを待った。
状況が落ち着いた頃に、わざとらしくトイレのドアを開け、そそくさと自室に戻ったのだが、どうにも遠目で見た再現フィルムのシーンが頭から離れない。
ラジオでは散々スケベな番組を聴いていて慣れていたつもりだったのだが、まさに聴くと見るとでは大違い。
映像で見たスケベなシーンのインパクトが強すぎて、それが頭の中で一杯になってしまったのである。
そりゃそうだ。
年齢的に性に興味が出始める頃でもあるからね。
でも、まぁ、小学校高学年にはちょいと刺激が強すぎたのかもしれない。

余談だが、当時のテレビ番組は結構な頻度で女性の裸が流れてたんだよね。
今じゃ考えられないよね。

と、まぁ、そんな訳で、自分の部屋で再現フィルム等のスケベ番組をゆっくりと堪能したいと言うのがラテカセが欲しい理由の真意だったのだけど、そんな熱もある日突然冷めてしまう。
前記事で書いたBCLラジオに対しての熱が猛烈に上がってしまった故、あっさりと再現フィルム熱が下がってしまったのだ。
まぁ、所詮はガキだよね。
スケベはまだ二の次なんだね。
そんなこんなで一時的に猛烈に上がったラテカセ熱はすっかり無くなり、BCLラジオに熱中していたのだけど、それから2年後のある日、もう中学生になっていた私に思わぬプレゼントが届く。
伯母がラテカセを持ってきたのだ。
何でも、仕事場で購入したのはいいのだが、使い買ってが悪いと言う事で処分する事になったらしい。
だが、ただ捨てるのも勿体ない。
だったら甥の私にくれてやると言う事で、思いがけず、しかも二年越しでラテカセを手に入れる運びになったのだ。
熱が冷めたとは言え、やっぱり、嘗て熱を上げたものが実際に目の前にあるのは嬉しい。
勿論、その頃も自室にテレビが無かったので、そう言う意味でも有難いプレゼントだったのは間違いない。
二年前の目論見が図らずも実現した瞬間だった。

さて、その時既に中学生。
スケベ心は小学生の時とは比較にならない程に強化されている訳で、当然例の番組、そう、ウイークエンダーにチャンネルを合わせるのだが、ん?、なんか違うぞ?
何故か数年前に見た様な過激なシーンをやってない。
今思うと、多分、何かしらの規制が入ったのだろうね。
小学生の時に受けた衝撃的なシーンをやる事は無く、当初の野望は叶えられる事は無かった。
又、肝心のテレビ機能なのだけど、決して良好なものでは無く、やっぱり所詮はポータブル。
ノイズの多い小さい白黒画面は時にストレスを感じる程で、伯母がいらないと言うのも頷けるものだった。
結局、依然として家族間のチャンネル権争いに参加せざるを得ない状況は変わらなかったのだから、あの時、無理に小遣いを貯めてまで買わなくてよかったと言う事になる。
その後の、このラテカセだが、結局、ほとんどラジカセとして使ってたのだから、なんか皮肉な話だよね。



JACKAL30002.jpg



カセットは天面に入れる。
私が最も使った機能がこれである。
もはやラテカセでは無くラジカセだな。(笑)



JACKAL30003.jpg



サイドにあるスピーカーがキワモノ感を演出している。
今見ても中々カッコイイデザイン。
こう言うデザインの家電って、今はもうないよね。


さて、この話にもちょっとしたオチがある。
なんやかんや言っても、折角テレビ機能があるんだから、カセット機能以上にテレビ機能が稼動してもおかしくないと思われるかもしれない。
が、テレビ機能を使わなかった決定的な理由がもうひとつあるのだ。
実は更に1年後、父親が、勤めている会社からお古のカラーテレビを貰ってきて、それを私の部屋に置く事になったのだ。
お古とは言え、据え置き型のカラーテレビは超快適。
ラテカセの出る幕はまったくなくなっちゃったんだよねぇ。
勿論、家庭内のチャンネル権争いともオサラバした訳で、そう考えると、結構贅沢だよなぁ。
まぁ、全部棚ボタなんだけどね。






SONY ソニー FX-300 JACKAL (初代ジャッカル) TV-FM/AM RECEIVER CASSET CORDER(テレビ/FM AMラジオ/カセットレコーダー)





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