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書き綴り

ヒトスジシマ蚊の洗礼

最近デング熱の伝播を行う蚊として危険視されているヒトスジシマ蚊。
今回は別にデング熱に関係ある話では無く、幼い頃、私が体験したヒトスジシマ蚊から受けた洗礼のお話。
ヒトスジシマ蚊によるデング熱が騒がれる様になったので、ふと思い出したと言うだけの戯言である。





私は4歳までを東京都杉並区で過ごしていて、4歳以降に町田市に引っ越して来た。
都会だった杉並とは違い、同じ東京でも町田は自然が沢山ある、所謂「田舎」で、近所には野生生物も沢山生息していた。
引っ越してしばらくして大分環境に慣れてきた頃に、私は一人で近所へ冒険に出かける事にした。
まぁ、要するに散策ね。
自宅裏側から坂を下りて行くと、通称「ジジ山」と呼ばれていた森があったのだが、とりあえず4歳児の私はそこへ行く事に決めた。
因みにジジ山の向こう側にはババ山もあったのだが、まぁ、どうでもいいか。
坂を下り、一応、森の入り口の様なところまで向かったのだが、都会育ちの子供の目からみたジジ山は迫力があり、立ち並ぶ大きな木々が怖かった為か、入るのを暫く躊躇してしまい、とりあえずジジ山入り口近くの道端に積んであるブロック(当時はあちこちにあったのよ)に腰掛けて、決心が付くのを待つ事にしたのだが…。
なんと、あっと言う間に得体の知れない黒い煙の様なものに囲まれてしまう。
そう、ヒトスジシマ蚊の大群だ。
座った瞬間に大量のヒトスジシマ蚊が私の両腕、両脚にたかって来たのだ。
それはそれは凄い数の蚊が私の小さい四肢を覆いつくし、血を吸い始めた。
半そで半ズボンで露出した腕と足は、ヒトスジシマ蚊で真っ黒のなる程だった。
大袈裟な話では無く、本当に自分の腕が真っ黒のなる程の数の蚊に襲われてしまったのだ。
都会育ちで、そんな経験をした事のない私は、そのあまりの数の蚊に恐怖してしまい、その場に蹲って大声で泣き出してしまった。
結局、私が心配で後をつけていた父親が即座に駆けつけ、私にたかっている蚊を追い払って、自宅まで連れ帰ってくれたのだが、自宅に帰っても、あの集団で襲われる恐怖が尾を引いていて、しばらく泣いていたと思う。
暫くすると、今度は腕と脚が強烈に痒くなったのは言うまでも無く、そのあまりの痒さ故に又泣き出してしまったと言う、まさに踏んだりけったりの一日を経験してしまった。
そんな東京都下の田舎の洗礼を受けた私は、年を重ねるごとに順調に野生化していく事になるのだが、まぉ、その話は今回はいいや。

さて、そんなヒトスジシマ蚊。
私が住んでいた場所では非常ポピュラーな蚊だった。
逆に、アカイエ蚊はほとんどいなかった様に記憶してるなぁ。
そんなヒトスジシマ蚊の繁殖力の凄さは子供の頃から頻繁に目の当たりにしていた。
上記の通り、田舎の洗礼を受けた後にすっかり野生化してしまった私は、家で多種多様な野生生物を飼う様になっていた。
昆虫だろうが爬虫類だろうが両生類だろうが、なんでもいたからね、当時は。
当然水生生物も飼っていて、裏庭の壺(何故か本当に壺があった)に水を入れてカエル等を飼っていたのだけど、不思議な事に、放っておいてもカエルは勝手に繁殖するし、ザリガニは長期間生き続けたりしていた。
ホントに、なんの世話もしてないのに勝手に繁殖したりしてたので不思議だったんだけど、その答えは、ある日、壺の中を覗き込んだ時に判明する。
要はね、ボウフラも沢山その壺の中で繁殖していた訳さ。
それはそれは凄い数のボウフラが壺の中で泳いでいたので、カエルやらザリガニやらは餌に困らなかったんだね。
当初数匹だったカエルは、その壺の中で100匹位になってたし、別の壺に入れていたザリガニは何も世話してないにも関わらず、確か2年位は生きてたんじゃないかなぁ。
それもこれも、ヒトスジシマ蚊の繁殖力のお陰と言う訳さ。
で、よくよく考えると、壺の中のボウフラも私の家族やその周辺の住民の血を吸って繁殖していたって訳だね。
うーん、生き物って神秘的だ。

ところで、流石にカエルが繁殖してしまった事にはオカンも耐えられなかったらしく、ある日突然、壺の中の水が無くなっていて、中のカエルもいなくなってしまっていた。
まぁね、他にも、蟷螂の卵を家で孵化させたり、カブトムシの幼虫を繁殖させたり、セミを家の中で放したりと、色々やってたからねぇ。

さて、そんな田舎風景が情緒的だった場所だが、今ではすっかり現代的な住宅街へと様変わりしている。
ジジ山の木は伐採され、新興住宅が立ち並ぶ様になってしまった。
もうあの場所でヒトスジシマ蚊に刺される人も少ないだろう。
時代の流れ故仕方ない事だとは思うが、その場所を通る度に「俺が子供の頃過ごした場所はもうないんだな」と感じてしまい、寂しい気分になってしまう。

って、要するにヒトスジシマ蚊と言うワードで、何故か色々と思い出してしまったって言うお話さ!




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